一人暮らしや下宿をされている学生の皆さんへ。住民票と不在者投票について

 

3月も下旬に入りました。
進学する大学・専門学校が決まり、親元を離れて一人暮らしや下宿を始める学生さんたちは、その準備に忙しいことでしょう。

 

政治関連でいえば、選挙権が18歳以上となり、新入生の皆さんは「有権者」です。
学生さんに向けて「選挙に行こう!」という呼びかけも盛んに行われています。

 

ところが、ここで大きくクローズアップされるものがあります。
「住民票」です。

 

【本来、引越しをしたら住民票は移動しなければならない】

親元を離れても住民票を移動せず、実家の住所に留めたまま、という学生さんは相当数に上ると言われています。

 

その理由は、
・いずれ実家に戻るから
・地元の成人式に参加できなくなるから
などのようです。
(成人式には参加できる自治体がほとんどのようですが)。

 

しかし実は、
「住所が変わった場合は14日以内に住民票を移動しなければならない」
という法律があります(住民基本台帳法)。
手続きを怠ると、5万円以下の過料に処される場合もあるので注意が必要です。

 

ところでもう1つ、居住と選挙に関わる法律があります。
公職選挙法です。

 

【3か月以上の居住と選挙人名簿】

公職選挙法には、
「3か月以上の期間、選挙区内に居住していなければ選挙人名簿に登録されない。」
という内容の規定があります。

 

「選挙人名簿」には、その市町村に住所を持つ(住民票を置いている)18歳以上の日本国民が登録され、その人に対して投票権が与えられます。つまり、
選挙人名簿に登録されない、とは、その市町村において投票できないことを意味します。

 

これは、住民票を頻繁に移動して各地の知事選などに投票するような不正を防ぐためです。当然の措置と言えるでしょう。

 

選挙人名簿の登録は年に4回行われますが、選挙がある場合は、公示日の前日を「登録基準日」とすると定められています。
2019年の参議院選挙は公示が7月4日と予想されるので、基準日は7月3日になります。

 

7月3日。これがまた大変微妙な日にちとなります。
引越して14日以内に住民票を移しても、この基準日が居住3か月未満にあたる可能性があるのです。

 

特に今年は人手不足などにより引越しが非常に困難になっていて、予定が大幅に遅れる方もいらっしゃるようです。

 

引越し先で選挙人名簿に登録されない。。。
では投票権はどうなるのでしょうか?

 

旧住所(実家)の選挙人名簿に登録されるのです。

 

しかし、選挙のために実家に帰るのは交通費もかかりますし、面倒に思う人も多いでしょう。
2年生以上で住民票を移していない人も同様ですね。

 

では棄権も仕方がないと諦めるべきでしょうか?
自分たちの未来に関わる選挙なのに、学生さんの投票率が上がらないままで良いのでしょうか?
いいえ。実は1つの方法があります。
それが「不在者投票」です。

 

【不在者投票という手段】

本来、不在者投票は
「仕事や旅行などで、選挙期間中、住民票を登録している以外の場所に滞在している方」
を対象にしています。

つまり、引越した人は本当は対象外なのです。

 

昭和29年の最高裁でも、実家に住民票を置いたままの学生に対して「不在者投票は認められない」という判決がくだされています。

 

しかし、現実的な対応として、一人暮らしや下宿の学生についてはそれを認める市町村が多くなっています。

(住民票を移したけれど居住3か月未満となった新入生の場合は確実に認められます。)

 

ですから、これまで住民票を移さずにいた学生さんは、
実家の市町村(選挙管理委員会)がその不在者投票を認めているかを確認することが大切です。
「熊本市西区 不在者投票」のように検索すると、自治体の見解や連絡先が判明するでしょう。

(繰り返しになりますが、なるべく早く住民票を移す、というのが最も正しい姿勢です。)

 

不在者投票が可能な場合、その手続きは、ごく簡単に言うと、以下のようになります。
1)“実家の”選挙管理委員会から「不在者投票宣誓書(兼投票用紙請求書)」を入手して、※
2)記入したものを郵送し、
3)送られてきた投票用紙を受け取り、

4)新住所近くの選挙管理委員会に3)を持参して投票する。
です。
この後、あなたの投票用紙は、新住所の選挙管理委員会から、実家の選挙管理委員会に郵送されるのです。

 

※申請するための「不在者投票宣誓書(兼投票用紙請求書)」は、ほとんどの市町村の選挙管理委員会ホームページからダウンロードできます。

 

総務省がイラスト付きで説明しているものが、冒頭の写真になります。
写真をクリックするとPDFが開きますので参考にしてください。

 

いかがでしょうか?
面倒な手続きです。
しかし、楽しんでチャレンジしてみるの良いかもしれません。
今後、こうした手続きを踏まねばならない機会は幾度となく訪れるはずです。
もちろん、行政手続きの簡素化については国が力を注ぐべき課題だと思います。

政府も、行政システムの全国統一を進めるなど、重要課題として取組んでいます。

 

本田あきこ
日本薬剤師連盟 副会長/薬剤師
自由民主党

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