令和2年度「診療報酬(調剤報酬)」「薬価改定」について

写真:参議院 厚生労働委員会

 

いつでもどこでも質の高い医療を安心して受けることができる。
これは日本が世界に誇る国民皆保険制度のおかげです。

 

けれども、少子高齢化が急速に進む状況下において、医療保険財政がとても厳しい状況にあることは、国民の皆様も認識されていると思います。

 

人生70年80年の想定で設計されていた制度が、人生100年時代となった今、制度上の修正を余儀なくされるのは当然の流れと思います。
そのため、「全世代型社会保障」として様々なとりまとめが行われております。

 

しかし、医療の分野においては、ただ歳出を削れば良いというものでもありません。
安全・安心であることが医療保険制度の大前提であって、それが脅かされるようなことがあっては本末転倒だからです。

 

たとえば公共事業がすべて悪とされた結果、災害対策の工事も削減され、地方で工事を担う業者さんが減ってしまった。そのため、被災からの復旧にも支障をきたしている、という話を聞きます。
同じ轍を踏むわけにはいきません。

 

「人生100年時代」が明確となった今は、社会保障・医療制度を修正する「過渡期」と言えるでしょう。
財政の改善。制度の持続。安全・安心の維持。

今回の改定はこれらのバランスを優先したもので、「過渡期」の特色が出たものだと思います。
その一方、団塊の世代が75歳になる2022年は目前に迫っており、「過渡期」と悠長に構えているわけにはいかないのも事実です。
「次」へ向けて議論はすでに始まっています・・・

 

ここまでの議論で、薬剤師に関連する案は以下のようなものです。
・薬剤師がその職能をさらに発揮できる医療体制にする。
・「かかりつけ薬局」を定着させ、患者の適正な薬の使用や正しい管理を推進する(残薬やポリファーマシー問題)。
・後発薬の使用を促進する。
・保険適用の範囲の見直し(市販薬の活用、セルフメディケーション)。
などです。

 

これらは、医療関係者すべてが協力し合い、問題に向き合う必要があります。
また、広く国民に周知しなければ意味をなさない施策も多く含まれます。

 

「静かなる有事」と言われる少子高齢化社会。
その中で、国民皆保険制度を守り、次へ繋いでいくこと。それは私にとって「国防」です。

そこでは薬剤師の役割が大変重要になってきます。
薬剤師国会議員として、全身全霊をかけて向き合ってまいります。

 

※調剤報酬や薬価について、皆さまからのご意見を募ります。
リプライ、コメント、DMなどでお送りください。
メールは下記フォームをご利用ください。
https://www.honda-akiko.jp/contact
よろしくお願いいたします。

 

自民党 厚生労働部会

 

広報資材、資料

 

日本薬剤師会「令和2年度 診療報酬(調剤報酬)改定について」(PDF)

 

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