医薬品の安全対策と救済制度:本田あきこ メールマガジン 2018年11月号

私は現在、全国の訪問活動を展開しています。
昨年は47都道府県へのあいさつ回りを行い、本年は都道府県の支部訪問という2周目の活動を行っております。

 

さて、今月は薬の副作用被害についてお伝えしようと思っていましたら、偶然、訪問中の長野県の研修会において、PMDA(医薬品医療機器総合機構)の方による医薬品副作用被害救済制度の講演をお聞きすることができましたので、救済制度についても紹介させていただきます。

 

薬(クスリ)は逆から読むとリスクとなります。
薬は時に“毒”にもなる物質です。毒になる作用を副作用と呼んでいます。

 

従って、患者さんに副作用が現れないよう、また、副作用が現れたら直ちに対応できるよう、医師は診断し医薬品を処方する立場から、薬剤師は患者さんの状態を理解して調剤する立場から、常に細心の注意を払っています。

 

<副作用被害と行政措置>
日本では、1950年代以降、医薬品による健康被害が発生し社会問題となった事件がいくつかあり、その都度、必要な行政措置が講じられてきました。

 

〇サリドマイド事件(1950年代)
妊娠初期の妊婦がサリドマイド(睡眠薬、胃腸薬)を服用したことにより、四肢奇形等の新生児が出生。
販売中止、審査データとして催奇形性試験の導入、新薬の副作用報告の義務化等の措置。
〇アンプル入りかぜ薬事件(1960年代)
ピリン系成分のアンプル入りかぜ薬によりショック死が発生。
販売中止、一般用かぜ薬の承認基準設定等の措置。
〇スモン事件(1970年代)
整腸剤キノホルムにより、激しい腹痛を伴う下痢、しびれ、痛み、視力障害等(SMON)の発生。
販売中止、医薬品再評価制度の創設等の措置。

 

<医薬品副作用被害救済制度>
こうした事件を受け、1980年「医薬品副作用被害救済制度(PMDA)」が設けられました。
医薬品を適正に使用したにもかかわらず発生した副作用により、
・入院治療が必要な程度の重篤な疾病
・日常生活が著しく制限される以上の障害
などの健康被害を受けた方の迅速な救済を図ることを目的として、医療費、医療手当、障害年金等の救済給付を行う公的な制度です。

 

この制度は、副作用被害に遭われた方が請求申請するのですが、わからない時は下記の相談窓口に電話するほか、お近くの薬剤師に相談してみてはいかがでしょうか。

 

私たち薬剤師は、医薬品による健康被害から患者さんを守ることを任務としています。
私が着ているオレンジ色のポロシャツには「薬剤師に聞いてみよう」という文字をプリントしています。

 

本田あきこは、常に地域から愛される薬剤師を目指し、地域医療に貢献したいと思っています。

※相談窓口(フリーダイヤル):0120-149-931
ホームページ
http://www.pmda.go.jp/kenkouhigai_camp/index.html

 

【追記】
ご質問を受ける機会が多くなりましたので、ホームページに「参議院議員選挙 投票の仕組み(2019年)」を掲載しました。
2019年はこれまでと異なる部分もあります。ぜひご確認ください。

「参議院議員選挙 投票の仕組み(2019年)」
https://www.honda-akiko.jp/blog/news/3266.html

 

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